『届かない真実』 完結
□19.乗り込み
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―――ザッザッ
土を踏む音は、だんだん目的地に近付いている。
これから起こることを、まだ誰も知らない―――――。
「……なんで、氷帝・立海のレギュラー全員が揃ってるんスか?」
リョーマは本当に不思議そうに首を傾げた。
今日は、学校に行くことを知っているが、跡部と幸村以外のレギュラーも一緒に行くとは思ってなかった。
「学校はどーしたんスか?氷帝なんて、昨日も休んだでしょ」
「校長もコーチも許可してくれている。問題ない」
「イエ、フツウナラ、モンダイアリマクリデショ」
呆れと疲れの混じった声でリョーマは言うが……
コーチたちはリョーマが喉から手が出るほど欲しいと持ってるし、
両校長は、リョーマを可愛がっている(基本、面識は無い)ので、問題はなかった。
「校長相手に、力使ったんスか!?」
「いや?リョーマの名前を出したら、二つ返事でOKくれたぜ?
……ああ、あと、青学に思い知らせてやれとは言われたけどな」
「氷帝も立海も、俺とは面識ないでしょ!!」
「「写真を見せたこと有るし、お前を可愛く思ってるから、何ら不思議は無い」」
「大アリだ!!!!」
リョーマは少々ムキになって言うが、跡部と幸村相手にはムダというもの。
諦めにも似た溜め息をついて、顔を背ける。
これ以上見ていると、余計なことを言って、疲れるだけだ。
「なぁ、マジで氷帝こねぇー?校長も来いって言ってるしよ!」
「…………お断りします」
宍戸の提案は、丁重にお断り申し上げておいた。
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