『届かない真実』 完結
□15.期待
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リョーマがアメリカに行って3年。
跡部たちは、小学6年生。リョーマは小学4年生になっていた。
とうとう我慢も限界になり、跡部と幸村はアメリカに飛び立った。
学校の長期休みーー夏休みーーを利用して。
それまでの夏休みは、一応名家なので、その為の勉強や長いこと休んでいた分の補習などで潰された。
もちろん、家に内緒で飛ぼうと思っていたのだが、その前に捕まってしまい、叶うことはなかった。
「やっと、リョーマに会える!!」
「くっそ、メイドや執事まで使って邪魔してくるとは思ってなかったな」
「おかげで、3年も経ったもんね」
二人の後ろに黒いオーラが見える気がするのだが……気のせいだ、きっと。
「とりあえず、リョーマの家だ!!」
二人は、ただ一心にリョーマの家を目指した。
アメリカでは、越前リョーマの名は少し有名だった。
たった8歳の少年がJ大会で最年少で優勝したのだ。
しかも、昨年と今年の2年連続で。
E.R.と登録されているものの、リョーマの名は南次郎の所為で広まっていた。
「さすが、リョーマ」
「ちゃんと、テニス続けてたな」
タクシーの中で、嬉しそうに話す二人に、運転手も言葉は分からずともにこにこしていた。
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