『届かない真実』 完結
□11.後悔
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「「リョーマ!!」」
跡部と幸村。
二人は、倒れたリョーマに駆けつけた。
「いったい何があった!?」
「しっかりして!リョーマ!!」
なぜ、こんなことになっているのか………
数分前、二人は青学の門をくぐった。
しかし、誰もおらず、とても静かだった。
普通なら、まだテニス部は練習中のはず……
異常を感じ取った二人は、急かされるようにしてテニスコートまで走った。
一体、何が起こっているのか。リョーマはどうしてるのか。
不安で、押しつぶされそうだった。
駆けつけた二人が見たものは、涙を一粒流し、必死に何かを呟いているリョーマの姿だった。
そんなリョーマの身体が傾いた。
二人は慌ててリョーマに駆け寄る。
力をなくし、倒れたリョーマの姿を見て、二人は絶句した。
頭から血を流し、服から覗く白い肌は変色している。
何があったのか。
本当は一瞬で分かった。でも、二人には信じられなかったのだ。
………青学テニス部が、リョーマに暴力を振っているなんて。
「手塚の奴は何してんだ!!」
「どうしてリョーマが……」
「これは一人、二人じゃねぇーな。……部員全員……か」
「……手塚がいてこうなってるってことは……」
「手塚も敵だってことだな」
リョーマを傷つける奴は敵。
自分たちの敵には容赦はしない。
リョーマのためなら、親の力だって使ってやる。
幼いころ、二人で決めた約束だった。
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