『届かない真実』 完結
□9.違和感
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「ねぇ、リョーマからの電話かメール来た?」
「……全く。こっちから電話しても出ないし、メールもほとんど返ってこねぇーよ」
「……何かあったのかな……」
「……かもな。今度、青学に行ってみるか。家は……やめといた方がいいだろう」
「そうだね。いつがいいかな?」
「……来週の……金曜日なら放課後あいてる」
「来週の金曜日か……。たぶん、俺の方も行けると思う。氷帝に来ればいいかい?」
「あぁ、青学まで車だからな」
「それまで、何もなかったらいいけど……」
合宿から二日ほどして、ほとんど連絡が取れなくなったリョーマに、跡部と幸村は夜、跡部邸でこっそり会って、
リョーマに会うための計画を立ていた。
もちろん、そこにはリョーマはいない。
心配で心配で、今すぐにでもリョーマに会いたい二人だが、来週の金曜まで、学校と部活でいけない。
しかし、すぐに会いに行かなかったことを、後悔することになるとは、この時は思ってもみなかった。
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