『届かない真実』 完結
□7.最終日
1ページ/3ページ
―――ヒソヒソ
「なあ、また裏切り者が夜に会ってたらしいぜ」
「本当。あれぐらいじゃ、ダメだったんだね」
「もう少し、きつく据えるべきか……」
「反省の色は見えないようだな」
不穏な空気はまだ拭えない。
―――――合宿最終日
その日は、試合を自由に行うという………手の抜いた………コホン………お互いに腕を高めあう練習となった。
榊コーチが、自由に試合と言った瞬間、リョーマの元に、立海、氷帝の選手が集まった。
「まだ、最後まで……「いいやん。ほな、俺も………。越前ー!!」……忍足……」
リョーマがいれば、榊のコーチとしての威厳も何もない。
しかし、それはそれで、榊も許してしまうから手におえない。
………結局、リョーマが一番なのだ、みんな。
「何アレ。チヤホヤされて、いい気になるなっつーの」
菊丸が侮蔑したような視線を向けて、吐き捨てた。
どれだけ、リョーマが可愛かろうと、青学には悪いようにしか映らないのだ。
「裏切り者には制裁を。合宿が終わったら、覚悟しとくんだね」
不二は開眼した状態で、ニッと笑った。
リョーマたちは、まだそのことに気づかない。
・