NARUTO短編集1
□祭り後の恐怖?
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「ナルトー、夏祭りにいかねーか?」
『サスケ?めずらしいってばね。けど、わりぃってばよ!俺、修行スッから行けねーん
だ!!』
ナルトはそう言うと、どこかに走り去った。
今日は、夏祭り。
里人、忍、全員が楽しそうにしている。
そんな中、シカマルは出店の列の一番端に立っていた。
…………少し様子がおかしいような気がする。
「んじゃ、行くか。」
シカマルは悪魔のような笑みを浮かべると、一歩踏み出した。
────数分後、あちこちで、叫び声や怒鳴り声が聞こえることとなる。
「「「「「「シ〜カ〜マ〜ル〜!!!!!!!!!!!」」」」」」
「あ?」
夏祭りの次の日、シカマルは同期の奴らほぼ全員に囲まれていた。否、詰め寄られていた。
「覚悟はいいんでしょうね?」
「昨日の借り、返してもらう。」
「シーカーマールー!!」
「一度、死ね!」
「白眼!!」
「どわああ────!?」
術は振ってくるわ、殴りに来るわ。
シカマルは必死にそれら全てを避けていた。
余裕なんて微塵もない。
「一体、何事だ!?」
「今日という今日は許さないんだから────!!」
サクラの叫びが聞こえたかと思うと、同期が、一斉に攻撃を浴びせてきた。
逃げる隙など存在しない。
「!?……ヤベ………。」
シカマルは、そう呟くと、慌てて姿を消した。
「っ、……危なかったー………。」
シカマルは、死の森にいた。走ってきた訳じゃない。
ただ、影を使って、移動しただけだ。
「一体、何だったんだ?あれ。」
シカマルは首を傾げながら歩いた。
あいつらが攻撃してくるようなことをした覚えはない。………ないはずだ。
それに、昨日といえば…………
「昨日は任務だったよな?里にいなかったぞ、俺。」
影を家に置いておいたが、外には出ていない。
なら、なぜ………?
「…………ナルト………か……。」
頭をフル回転させ導き出した答えは、現・相棒であり、里一の実力者。
容姿、力、頭全てを兼ね備えた男。………まぁ、腹の奴のおかげで、周りにはそのことは知られていないのだが………。
「…………最近、外任務ばっかだったからなー。」
シカマルは、今回の騒動の裏に隠された思いを、正確に読みとっていた。
ナルトはなぜ、こんな事を起こしたのか………。
少し考えれば、分かることだ。
シカマルは小さくため息をつくと、急いでその場から消えた。
大切な大切な相棒のご機嫌を取りに行くために。
さて、今回の騒動の原因は、シカマルが外任務ばっかりで、一つも構ってくれないことに、寂しさを覚えたナルトが起こしたものだった。
つまり、ナルトの一種の寂しいという合図だったのだ。
この騒動で、一番迷惑を被ったのは、同期の奴らだろう。
何も知らず、ただナルトのイタズラを受け、怒りをシカマルにぶつけるも、途中で逃げられ…………。
そんな彼らを放って、ナルトとシカマルは、久しぶり(にもぎ取った)の休暇を満喫しましたとさ。
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