NARUTO短編集1

□バレンタイン
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────2月13日。バレンタイン前日。


里は、異様な雰囲気に包まれていた。里内のチョコレートを売っている見せに人だかりができている。全員女だ。
それを顔を引きつらせながら避ける男。
話題も恋話やチョコレートの話ばかり。それは、下忍の女子たちも例外ではない。










────合同任務。


「ねえ、今年はどんなの作るつもり?」
「サクラには教えないよ〜〜。サスケ君、喜んでくれるかな?」
「イノブタ!サスケ君に渡すのは私よ!」
「デコリンちゃ〜〜んには絶対に無理よ。受け取ってもらえないわよ!」
「何ですって〜〜!!」
「あ、あの……二人とも……やめなよ……。」
「何かすごいな。」

いのとサクラの言い合いに、顔を引きつらせる男子。
一生懸命止めようとするヒナタ。
サスケに関しては、めずらしく現実逃避している。


『なんかすごい迫力だってばね。』


任務そっちのけで言い合う二人を見て、ナルトはぽつりと漏らした。
ナルトには、そこまで競い合う理由が分からないのだ。


「「ナルト!!」」
『ふ、ふぇ?!』


急にサクラ達に呼ばれ、驚くナルト。

「あんたは、作んないのっ!?」
「作るなら一緒に作りましょうっ!!」
『サクラちゃん?いの?』

急な申し出に、目を白黒させるナルト。いつの間にか、二人のほこら先はナルトに向いていた。


さて、ここで心踊らせるのが、ナルト大好き人間ども。


ナルトの後ろでは、冷静を装いながらちらちらとナルトを見る男どもがいた。
しかし、そこはナルト。鈍感の中の鈍感な故、その視線に気付かない。

『俺は男だってばね?』
「「この際男も女も関係なし!好きな人に、チョコを贈る日よ!」」

いのとサクラが力説する。

「ナルトは、好きな人いないの?」
『え……!』

ボンッ

サクラの言葉に、ナルトの顔が音を立てて真っ赤になった。
「っ!いるのね─────!!」
「誰!?誰よ!教えなさい!」
『うぇ……あ……え?』

叫んだいのと、お姉さんのように問いつめるサクラに、リンゴのように真っ赤になってしまうナルト。
ズイッと顔を近づけられ、しどろもどろになるが、二人は引こうとしない。


「「ねえ!!誰!?」」
『な……。』
「「「「「「「「な!?」」」」」」」」


いつの間にか増えてる声。



『ないしょだってばよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜///!』



ナルトは真っ赤な顔のまま、どこかに走り去った。
「あっ、ちょっ!!!」
追いかけられなかったサクラ達は、呆然とナルトの走り去った方を見つめていた。
そして、次の瞬間には、全員の声が空に響いた。



「「「「「「「「「っ〜〜。誰よ〜〜〜〜ナルト〜〜〜〜〜〜!!」」」」」」」」」
そんな中、1人だけ勝ち誇った笑みを浮かべている奴が………。



それに気付かない下忍、ついでに上忍ども。
結局、任務のために戻ってきたナルトを問いつめても、口を割らず、明日になったら分かるだろうと、サクラ達女子は諦めた。
男どもは飽きらめてなかったようだが………。





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