NARUTO短編集1

□邪魔者?
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「シ〜〜カ〜〜!」

ナルトは、シカマルを見つけると後ろから飛びついた。

「うお!?どうしたんだ?」
「シカ!どっかいこうぜ!」
「はあ、めんどくせー。けどいいぜ?」

二人が恋人になってから1ヶ月。
なかなか二人の時間も、どこかに行く時間もなかった。
そんなときに、ナルトからのお誘い。
シカマルが行かないわけがなかった。

「で、どこ行くよ?」
「う〜ん。」

そこまでは考えてなかったらしい。
うなり声を上げながら考え出した。

「シカはどこ行きたい?」
「お前の行きたいとこでいいよ。」

ナルトを抱きしめたくなる衝動を必死に押さえながら、何事もないように答える。

「じゃあ、川でもいかね?」
「いいぜ。」

ナルトとシカマルは、行く先を決めるとゆっくり手をつなぎながら歩き出した。





川には、誰もいなくて、川の流れる音だけが聞こえていた。

「久しぶりだな。静かでちょうどいい。」
「ホントだってばね。」

外に出たので、口癖を付けてしゃべるナルト。
二人は手をつないだまま、川に沿って歩いた。

「ナ〜ル〜ト〜〜!」

「「ん?」」

声がして、振り向くとピンク色の髪が見えた。

「サクラちゃん!」
「シカマルも!どうしたの?」
「ただ気分転換に歩いてただけだってばよ。」

まだ、二人の関係は内緒のまま。サクラが来た時点で、繋いでいた手を離している。

「へ〜。そういや、カカシ先生知らない?」
「知らないってばよ。シカマルは?」
「俺も知らねー。」

ナルトの問いかけに不機嫌そうに答えるシカマル。
久しぶりの二人っきりに時間を邪魔されて、機嫌が悪くなってる。

「そっか、じゃあね!」

サクラはそう言うと、どっかに走っていった。

「シカ、機嫌直して?」

ナルトは、少し冷や汗を掻きながら、シカマルの顔を覗く。

ガバッ

シカマルは、ナルトを抱きしめた。

「ちょっ、シカ!?どうしたんだってばよ?」
「あの女……。久しぶりの時間邪魔しやがって……。」

シカマルの顔を見なかっただけ、幸せかもしれない。
ナルトは、どうやってシカマルの機嫌を直してもらおうか考えた。

──やっぱむり。

シカマルの機嫌を直すのは、このまま邪魔が入らないことだ。
仕方なく、周りに結界を張って、自分たちを周りから見えなくしておく。

多分、大丈夫だろう………、多分。

それから、何人かが通ったが、誰も声をかけることなく、二人っきりの時間を過ごせた。










後日、サクラが目の下にクマを作って任務に現れた。
どうやら、夜寝ると、悪夢を見るらしい。
それが、1週間続くと、何事もなかったように、見なくなったとか。
原因は………知らない方が幸せなこともあるもんだ。






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