テニス短編

□君の為に出来る事
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次の日、昨日の女子グループの人たちがせっかくだから近くのアスレチックに行かないかと声をかけてきた。

アクロバティックが好きな菊丸や向日は大喜びし、それ以外の人たちもたまにはいいだろうと一緒に行くことになったのだ。

合宿場の近くともあって、そこそこ大きなアスレチックだった。



「あれから答えは出た?」

「不二先輩」


リョーマはそれなりに楽しんだが、途中で疲れたため、少し離れた椅子に座って先輩たちが遊んでる様子を眺めていた。

これがテニスならどれだけ疲れようが休憩なんてしなかっただろう。


「大石も大変だね、英二に引っ張られて」

「あの二人って、いつもあんなんだったんすか?」

「そうだね。ゴールデンペアって呼ばれるぐらいあの二人の相性は抜群かもね」

「へぇー」

「どうするかは……決めたの?」

「……とりあえず、記憶が戻るまではどうもしないっス」

「……それでいいの?」

「はい。いつ戻るのか分からないけど、記憶は取り戻したいっすから」

「決めたんだね」


「姫さん、疲れたんか?」

「忍足さん」

「あーん?ほらよ、飲め」

「あ、どうもっス……」


忍足からはタオル、跡部からはファンタをもらった。


「越前、腕怪我してるぞ」

「え?あ、本当だ」

「これをつかえ」


そう言って真田に渡されたのは絆創膏だった。


「ああ、貼るのはまて」

「イテっ」


貼ろうとすれば手塚に止められて、消毒液をかけられた。

至れり尽くせりの待遇に、不二たちは苦笑しながら眺めている。
















お昼も食べ終わり、もう一度遊んでから戻ろうという話になった。

リョーマは椅子に座ってそれを眺めていたが、ついさっき不二に指摘されたことに気づいて慌てて目をそらした。




「越前、さっきみんなを見てた時、ずっと彼ばっかり視線で追っていたから……気をつけなよ?」




笑いながら言われて、すごく恥ずかしかった。

以前の自分はいったい誰を選んだのだろうか。

そんなことを想っていると、やっぱり視線は一人を追っている。


「はぁ……」


大きなため息をつくと、大きく視線をそらすように周囲を見渡した。

そして………





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