テニス短編

□Hospital Lover 前編
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   * *





付き合って変わったこと……はほとんどなかった。

相変わらず阿野は病院内の身。

手塚に至っては、彼女のフルネームすら知らないのだ。




そして今日も、彼女に会いに病院に行く。
(リハビリなんて二の次)











「リョー……「体調はどうなんだ?あーん?」……跡部?」


リョーカの姿を見つけ、声をかけようとした手塚だったが、聞こえてきた声に思わず立ち止まった。

なぜ跡部が病院に……しかもリョーカといる?





「大丈夫。それより、なんでいるの?」

「あーん?一応心配してきてやったんだよ」

「大丈夫だから、帰って。もうすぐ国光が来るの」

「手塚か……。悪いが俺様も手塚に用があるんだよ」

「は?ちょっ、余計なことはしないでよ!?」




ずいぶんと仲良さそうだ。




「リョーカ」

「あっ、国光!」

「よう、手塚」

「なんでいるんだ、跡部」




せっかく2人っきりの時間を……




「お前に用があんだよ。それより、リョーカ。アレ、お前捜してんじゃねーか?あーん?」

「え?あ、ほんとだ……。ごめん、国光。行ってくるね」

「ああ、ここで待ってる」

「うん!」



リョーカは頷くと駆け足できょろきょろと辺りを見回している看護師の元へ行った。







さて……






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