テニス短編

□Hospital Lover 前編
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そやって1か月、週2日のペースで会って話して………



そして気づいた。



いつの間にか、彼女のことが好きになっていたようだ。

話は合うし、趣味も似ていて、一緒にいて楽しい。

部活仲間の不二たちにも、このごろ楽しそうだね、君が笑ってるなんてちょっと怖いよ。と言われる始末。






ふとした表情、テニスを見て幸せそうに笑う顔、(テニスが)大好きですという言葉。


その一つ一つが俺の心をつかんで離さない。






「好きだ」






唐突だったと思う。

別にどうこうなりたいわけではなかった。


……と思う。今では自分でも分からないが。





少女――リョーカを目の前にして、気づけばそう口走っていた。

ああ、ここが病院の中庭でも自然が一番!とか誰か医師が言ったことで設置された森(緑生地と呼ばれている)で、周りに誰もいない場所で良かった。







「あの……」



一度言葉として吐き出したものは二度と戻らない。

そのことを痛感しながらリョーカの言葉を待つ。

もしフラれたらリハビリの曜日を変えてもらうか、時間を変えてもらおう。

うん、そうし―――……




「私も……好き……デス……」




……時間にすれば2.3分だったのだろうが、俺には1時間にも感じられた。

彼女は……ナントイッタ……?





「……えっと……手塚……さん?」

「本当か?」

「……ハイ……」




顔を真っ赤にしてうつむく彼女を可愛いなと場違いなことを思う俺は、もう末期なのかもしれない。

不二や乾に観られたら、キモいよ、手塚。とバカにした目で見られるに違いない。




「付き合って……くれるか?」

「えっと……オネガイシマス……」












そうして、初彼女ができた……。







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