テニス短編
□Hospital Loveｒ 前編
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偶然その日、俺は定期検診のため総合病院を訪れた。
つい先日行われた全国大会の決勝戦で完治させた腕と肩を、それはもうめちゃくちゃ使いまくった。
前のようにテニスができないとか手術しないといけないということはない。
が、やっぱり負担は大きかったようで定期検診と週１〜２ペースで筋肉をほぐすためのリハビリで病院に通っている。
そして今日も、リハビリのために病院へきているのだ。
予約を取ってその時間にリハビリを受けられたことはない。
今日も予約時間に来たが、３０分待ってほしいと言われた。
予約している意味はあるのか？と思うのだが、予約しなければ一生受けることはできないだろう。
せっかく天気もいい。
今日は中庭にでも行こうかと暇潰すのために病院内に設置された中庭に向かう。
(いつも思うが、中庭というより、むしろ公園――しかもものすごく大きな――だというべきだろう)
―――そして、俺たちは出会った。
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