NARUTO中編集1

□私の傍にいてください
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『泣いたら、笑ってください』





どれくらい経ったのだろう。

10分か、20分か。……それとも1時間だろうか。

上忍は、遠くで次々と消えていく気配に絶句していた。


「一体………何が起こって………?」

「チッ、………ナルト………」

『はい、何ですか?……シカ』

「「「!?」」」

「ナルトっ!!」


シカマルは声の聞こえた方を振り返ると、確認もせずに抱きついた。


『………心配………かけてしまったみたいですね』

「当たり前だろうが!!もう少し、自分の体を労れ!!」

『すみません』


ナルトとシカマルの会話に、周りは唖然とするしかなかった。

ナルトとシカマルがここまでなかったなんて知らない。



けれど、何より………ナルトが敬語!?



しかし、それに触れることは誰も出来なかった。


「あのー、ナルト?」

『ん?』

「敵さん………は?」

『さっきのは、倒しておきました』


しかし、ナルトの言葉は終わらなかった。


『が、まだ遠いですけど、今以上の忍がこっちに向かっています』


カカシの質問に、ナルトは表情を変えると、報告するように淡々と答えた。

その姿は、まるで上忍が火影に報告するようで………。


「今以上……って?」

『今いたのが、123人です。約、その倍の250人です』

「250人………」


ナルトはカカシの方を見た。蒼い瞳がカカシを映す。


『上忍の方々、今すぐ木の葉へ。後数10分もすれば、こちらとあちらが接触することになります。



 今、相手をするわけにはいかないので……』



「「え?」」

『これ以上は、二度と家……というか、部屋から出して貰えなくなりそうなので……』


そう言うナルトの腕は、シカマルにがっちりと掴まれ、視線で訴えかけられていた。


「えーっと……シカマル君?」

「安心しろ」


何に?


「家の中は動けるようにしてやンよ」

『だ、そうです』


苦笑するナルトに、カカシとアスマは、はぁ………としか答えられなかった。

ナルトはカカシを見て、促した。


『はたけ上忍、指示を』

「っ、分かった。……全員、木の葉に戻るぞ!」


カカシの声と共に、全員が木の葉に向かって走り出した。

最前線にナルトの影分身2体、しんがりに2体。

本体はシカマルの横、つまり、真ん中にいた。


「大丈夫……なのか?」

『はい、今は正常です』


シカマルの心配そうな声に、ナルトは笑って見せた。


「………そうか」






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