『届かない真実』 完結
□22.破滅
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「俺、帰る。忍足さん、真田さん、帰ってテニスしよ?」
後ろの方で立ってるしかできなかった他校のレギュラーたちに声を掛けた。
つまり、完全に青学は見放されたのだ。
それに気付かない跡部たちではない。
「リョーマ、いいのか?」
「もう疲れた。バラしたし、もう俺いなくてもいいでしょ?
……あとは勝手にやって」
リョーマはそう言い切ると、忍足と真田の手を掴んで歩き出す。
「あっ、バアちゃん、退部届ないけど、俺の名前消しておいてくれる?」
「いいのかい?」
「いいよ。先輩たち、今までご迷惑をおかけしました。あとは親父たちと話してください」
リョーマは手塚たちにそう言うと、二度と振り返らずにコートから出て行った。
「旦那様、リョーマ様は…………」
「高校卒業まで、そっとしといてやれ。テニスしながらでも、継げるだろ?」
「ええ、まぁ。しかし、東京にいらしていたとは驚きました」
「日本に戻ってたからなぁ〜」
「とりあえず、今は遠くからリョーマ様をお守りしておきましょう。二度とあのようなことがないように」
「頼むぜ?あぁ、ついでに氷帝に転入させといてやってくれ」
「立海じゃないんですね?」
寺田と南次郎の会話に、幸村が不満そうに入った。
「遠いからな。車で行けるようにするなら、氷帝の方が近い。てか、どうせお前らくるんだろ?レギュラー全員で」
「ふふ。もちろん」
「それで我慢しろ」
「仕方ない……のかな?じゃあ、僕もリョーマとテニスしてきます」
「ハァ、南次郎さん、後は宜しくお願いします」
「俺もチビ助と久しぶりに打ってこよーっと」
「リョーガ、リョーマを襲うなよ?」
「分かってるって!さすがに、会えなくなるのはヤダだからな」
幸村に続いて、跡部、リョーガもコートを出て行く。
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