『届かない真実』 完結

□16.目覚め
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「跡部……?幸村……?」



「上等じゃない。潰してやろうじゃん」

「アーン?潰すだけじゃねぇ。……二度と口が利けないように、徹底的に潰してやる」



「……さて、どうやって潰すか考えるぞーー!」(真田)

「「「オー……」」」(レギュラー陣)

…………レギュラー陣は二人の言葉は聞こえなかったことにしたらしい。




「んー…………」

「お前ら!静かにしろっ!!」

「リョーマが起きちゃうじゃない!!』


(((((((お前らの方がウルサイだろっっ)))))))


「……景吾と精市の方が声は大きいよ」

「「あ、リョーマ」」

「おハヨ……」


そう言ってリョーマは起き上がった。


「あれ?氷帝に立海の…………。なんでいんの?」


本当に不思議そうに首を傾げる姿は何の異常もないように見える。

しかし、その服の下には、数えきれないほどたくさんの傷があるのだ。


「リョーマ、何か食べるか?家には連絡しておいたから、土・日はここに泊まれ」

「え?でも……」

「……その身体で帰るつもり?」

「…………」

幸村に言われて、リョーマは知られてしまったのだと分かった。

これで青学は終わった。

この二人が許すハズがない。


リョーマ自身、二人を止める気はなかった。

二人を止めても、親父が手を出しそうだし、この二人が止めたところで、止まるとは到底思えない。


「……どうするつもり?」


リョーマはバレてる前提で聞いた。

どうせ、聞かなきゃいけないのだ、いつかは。

「「決まってる。徹底的に潰す(よ)」」

「……そう」

思った通りの返答に、苦笑するしかない。


「いいの?大会出られなくなるかもよ?」

リョーマは二人の後ろにいるレギュラーたちを見た。

きっと、この二人は構わないと言うかもしれないが、他の人たちはそうはいかないだろう。



大会に出るために、今まで頑張ってきたのだ。

たかだか一人の為に……しかも、ライバル校のためにその機会をふいにする必要なんてない。



そう思って見たのに、レギュラー全員が頷いたのだ。


「なんで…………」


「俺達はお前のことを詳しく知ってる訳じゃない」
「でも、お前の味方をするって約束したろ?」
「間違ってるのは青学だC〜〜」
「越前が反対しても、俺達は俺達のやりたいようにやるさかい。気にしなや」


「…………みんな、バカでしょ」


リョーマは泣きそうになるのを我慢して、布団をかぶった。

どうしてここまでしてくれるのだろうか。


ライバルである以前に、仲間だから……という概念はリョーマにはない。

ライバルはライバル。ただ、跡部や幸村のように特別な人がいるだけ。


リョーマの中には、ライバルか特別かしかなかった。





「……氷帝も立海も……青学も。大会に出られるようにして」


出られるなら……何をしてもいい。(跡部&幸村訳)



リョーマの言葉に、跡部はニヤリと笑い、幸村はニッコリと笑った。





…………どうなるのか、先は見えない。



17.決意
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