『届かない真実』 完結
□10.苦痛
5ページ/5ページ
「うっ……」
それから30分。リョーマは身体を無理やり起こすと、着替えるために一歩踏み出した。
土・日は青学だけじゃなく、他校も休みになる。
……跡部たちが来るかもしれない。
「ごめんなさい。……景吾、精市」
きっとバレる。顔に傷を作って、バレないわけがない。
リョーマは、一粒の涙をこぼして、謝った。
相談しなかったこと。連絡しなかったこと。そして………心配をかけてしまうことに。
リョーマはそのままバランスを崩して、前に倒れていく。
もう、リョー―マに身体を支えるだけの力は残っていない。
……帰らないと……いけないのに……
「「リョーマっ!?」」
二人の声が聞こえたような気がした。
そこで、リョーマの意識は闇に呑み込まれた。
11.後悔