テニス短編

□餅つき
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「さぁ!できたぞ!!分けていくから、自分たちで丸めろ」


出来上がった餅は、手塚部長の目の前に置かれ、部長がそれを小分けにして各自に投げていく。

手慣れた手つきに、リョーマほぅと、感嘆の溜息をついた。

なんか、異様に貫禄があるように見える。

リョーマは桃城から餅を受け取ると、先輩たちのを見て、餅を丸めた。

「うおお!丸めるぜー!!」

「あっちぃー!!」

「あんこを入れてあんころ餅にしようか」

「お湯もあるから、きなこ餅もできるぞー」

先輩たちが楽しそうに丸めてるのを見て、リョーマはまぁいいか、と思った。

そりゃ、杵と臼の餅つきを楽しみにしていたのだが、こうやって、みんな笑ってるのだから、満足だ。


「砂糖醤油もある」

「越前、餡子いるか?」

「きな粉もあるぜ!」


「両方、あとでもらいます」

「えび餅もあるぞ」

「あっ!えび餅いただきます!!」

リョーマは手塚からできたてほやほやのえび餅をもらい、かぶりついた。

「んまい」

温かて、もちもちしている。

普段、焼いたものしか食べたことないから、新鮮だ。






その後も、いくつか餅を食べて、残りは持ち帰りとなった。

「越前、どうだった?」

「あ、部長。……そうっすね、ちょっと期待外れだったスけど、おいしかったんで、楽しかったっス」

「期待外れ?」

「杵と臼じゃなくて、機械だったことに」

「ああ」

「親父から、餅つきはそうなんだって聞いてたんで……」

「昔はそうだったが、今はほとんどが機械になっているな」

「そうなんスか?」

「だんだん、簡単になっていってるようだ」

「でも、まぁ、おいしいからいいッスけどね。部長もかっこよかったスよ?」

餅を手で切り分けてる姿。

リョーマは無邪気にそういうと、じゃあといって、家の中に入っていった。



「……今度は、家に誘ってやるか……」

手塚はリョーマを家に誘う口実ができたと、心を弾ませて帰っていった。


End

〔あとがき〕

今日(30日)、私の家も餅つきです。もちろん、機械で。
昨日(29日)は、もち米を洗うのに、手がキンキンに冷えて、動かなくなりました。

杵と臼、機械を思いついて、書いてみました!!
杵と臼は、中学校の時にやりましたvv

旅人さんは、餅つき、しましたか??


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