『Lost and Rescue〜囚われた心〜』 完結
□ 第1部 脅かされる心8
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リョーマと3年レギュラーの間のわだかまりは残ったまま、青学は全国大会へと駒を進めた。
よりにもよって1回戦は氷帝とだ。
関東大会での氷帝戦を思い出して、青学トリオ(桃城・海堂・手塚)はため息をつく。
敵同士でありながら、氷帝トリオはリョーマの心配をして構いに来ていた。
しかも跡部はそれを止めずに自由にさせている。
3年レギュラーの機嫌は悪くなるし、試合になってもなかなかリョーマから離れない。
ただ、その構い方に疑問を抱いたのは事実。
何からかリョーマを守るように立っていた3人。
大切にしているのだということは分かっていたが、それ以上の"何か"を青学トリオは感じていた。
試合は相変わらず白熱している。
ここでもやっぱりというべきことなのだろうか。
ダブルスの2人は二人と戦いたいとわがままを言っては跡部に怒られていた。
ただ、今回リョーマの相手をするのは手塚に勝った跡部だ。
前の時は補欠だった日吉に向かったが、今回の不満は跡部と手塚に向かった。
(手塚に関しては、何でリョーマをシングルス1にして跡部の相手にしたのか……と)
「くっそ!!リョーマ!勝てよ!!」
「俺様には負けんなよ!」
「リョーマは強いんだC〜。跡部なんて敵じゃなE〜」
「……お前ら……どっちの味方なんだ?」
「「「もちろん、リョーマ!!!」」」
2−2で跡部VSリョーマの試合で勝敗が決まるというのに……
堂々とリョーマを応援する"氷帝"レギュラーの3人に、青学トリオは呆れた。
前回もやっぱり………だったが、すでに勝敗が決まった後の補欠戦だった。
でも今回は……
「……大変だな、跡部」
「アイツらに関しては諦めた」
前回の時は、氷帝なんだから氷帝応援しろよ!と怒っていた跡部も、すでに諦めているのか自由にさせている。
にしても………氷帝全員がそれを許しているのもどうかと思うのだが……
「え……えー、氷帝・跡部VS青学・越前の試合を始める!」
ワアァァァ――――ッ
なんだかんだと言いながら始まった5試合目。
負ければ夏が終わる。
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