テニス短編

□大晦日
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―――12月31日

世間では、大晦日でもあり、家の中だけでなく、町もバタバタガヤガヤしていた。



そんな中、越前家でも、おせち料理の準備で、大忙しだった。






「リョーマ、ごまめ作ってくれる?」

「はーい」

「あなた!!邪魔だから寺のほうに行っててくれるかしら?」

「………はーい………」


母・倫子の対応の違いに、南次郎は項垂れながら逆らわずに寺のほうにトボトボと歩いて行った。

リョーマはそんな南次郎に構わず、ごまめを作っていく。


日本に来て初めての大晦日。

アメリカではなかった、おせちや年越しそばなどというものに、わくわくが隠し切れなかった。










「さぁ、これでおせちは終わりね」

次は年越しそばの準備をしましょうか。


倫子はそういうと、リョーマにおせちをとなりの部屋に運ぶように言って、そばの準備を始めた。

普通、12時頃に食べるのだが、家が寺のため、除夜の鐘を鳴らさなければならない。

食べてる時間がない。だから、晩御飯に年越しそばを食べることになったのだ。




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