テニス短編
□餅つき
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‟越前、今日の昼から、餅つきすることになった。1時に部室に来い"
11時ごろ、部長からメールが入った。
「餅つき?」
って、あの杵と臼を使った??
日本に来て、初めての正月。リョーマは昔南次郎に聞いた餅つきを思い浮かべた。
「………楽しそう」
アメリカでは、餅つきはしない。
だから、どんな風にするのかも知らない。
リョーマは顔には出さなかったが、すごく楽しみにしていた。
* *
「ちぃーす」
約束の1時に、珍しく遅刻せずに来たリョーマ。
部室にはすでに全員がそろっていた。
「よう、越前。珍しく遅刻しなかったんだな」
「桃先輩」
一番近くにいた桃城がリョーマに気づいて近づいてきた。
「餅つきなんて初めてっす」
「おう、アメリカではしなかったのか?」
「………してないっすね」
正月も普通にテニスしてたし。
どこまでのテニス一筋のリョーマに、桃城は豪快に笑うと、リョーマの背中をバシバシとたたいた。
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