novel

□chocolate kiss
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「ヒョン、あーんしてください」


後ろから目隠しをしてそう言うと素直に口を開いたエンヒョン

そんなヒョンを愛しく感じながらケンは冷蔵庫からとってきた箱から1つ、口に放り込んだ


「あ、チョコレートだ...」

「遅くなってごめんなさい、みんないない時に渡したくて」


そう今4人は自主練習ということで練習室にこもっているのだ。

ケンはずっと、エンと2人っきりになるのを待っていた


「これで元気出してください。僕はいつでもあなたの味方です」


そう言うとヒョンは少しだけ瞳を潤ませた


「バカ...もっと早く言ってよ」


そうして肩に顔をうずめてくるのだ。

ドキドキしながらヒョンの肩に手を回した


ヒョンの心臓がトクトク言ってるのが聞こえる。

ああ、僕がドキドキしてるのもバレてしまうんじゃないだろうか


「もっと欲しい...」


機嫌がなおったのか自らあーん、と口を開けてくるヒョンに少しだけ意地悪を考える

ヒョンの口に入れようとしたチョコを自分の口に放り込んだ


「あー!俺が食べ...っ」


そしてそのままヒョンに口付ける
熱で溶けてきたチョコを舌でヒョンに食べさせるのだ


「ケ、ふぁ..」


チョコの香りと甘いキスに酔いしれる

唇を離してはまたチョコを入れて、の繰り返しで心も体も甘くなるのだ


「ケナ、ほんとずるいよ...」


真っ赤になったヒョンがそうやってつぶやいて
僕は何も知らない顔して笑うんだ


「なんの話でしょう?」





エンヒョンがチョコを楽しみにしていたのなんて知ってた。

だからこそこんな遅い時間まで渡さなかったんだ


誰にでも愛嬌を振舞うあなたに僕は毎日のように嫉妬してるんです。

だからたまには、こんな日だっていいでしょう?



最後の1つを口に含んで今度はもっとゆっくり、
ヒョンの全てを舐め取るように熱いキスをした。




 
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