novel
□ばれんたいんでい。
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「遅い!!!!!」
カフェに入るなり投げかけられた言葉に苦笑する。
「悪い悪い」
透明のガラスになっている壁の外からすでに目があって。
少し嬉しそうだけど怒ってる!って顔が可愛くて今すぐにキスしたい衝動にかられた
そして想像通りの言葉が飛んできたのだから。
「何笑ってるの、もう!」
ぷうっ、と頬を膨らませてわざとらしく怒ってる感を醸し出すハギョンの前にさっき買ってきたチョコレートをポイッて置くと
シューってしぼんでいくのがわかった
「テグンにはムードって言うものがわからないの...?
いや絶対わかるよね?バカなの?」
どんな言葉だって、ハギョンの口から出れば何倍も何十倍も素敵な言葉に感じる。
いいから開けてみろよって言ってやると目を輝かして包装紙に手をかけた
「え、こんな高いもの受け取れない...っ!」
名前を見たのか値段を見たのか、いそいそと紙袋に直すと押し付けてきた
「何を言ってる?お前の為に買ってきてやったのに受け取れないのか?
......そうか。ジェファンにでもやろうか」
なんて、意地悪くハギョンの友人の名前を出せばシュン、としておとなしくなった
「いや、それなら俺がもらうよ。......ありがとう」
嬉しそうに頬を染めたハギョンが可愛くて仕方がなかった。
家ならば今すぐにでも抱きしめて何度もキスの雨を降らせてやるというのに
カフェで会おうなんて言った自分が馬鹿だったな。
来年は家で過ごそう、なんてテグンは自分の考えに幸せを感じていた
「テグン何飲む?買ってきてやるよ」
ガタン、と席を経って注文しにいったハギョンを横目に見ると、
そ〜っとハギョンのカバンの中に、チョコとは別のプレゼントを入れ込んでおく。
かなりしたの方に入れたから、きっと気づくのは帰ってからだろう。
喜ぶ姿を思い浮かべて1人口元が緩むのを我慢していた