novel

□子供でもなく大人でもない
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知ってますか?
エンヒョン、僕の学校でもすごい人気なんですよ。


ダンス上手だしかっこいいししっかりしたリーダーだし、って
しっかりはしてないと思いますけどね


ヒョンの名前が出る度に僕は1人嫉妬してるんです。



どれもこれも、あなたは知らないでしょう?



そんな生活とは今日でおさらばです。

学校自体は楽しかったけど、それとこれとは全くの別物です


「あー楽しかった!」


無事に公演を終わらして控え室に戻った。
本当に踊るのが大好きなヒョンは、毎回のステージをどれもすごく楽しそうにこなす。


何回踊っても、しんどいよりも楽しいが勝るのだ。
まさにアイドルにもってこいの人じゃないか


だからこそ、そんなあなたに惹かれたんじゃないですか


「ヒョギ〜、改めて卒業おめでとう〜!」


控え室でもヒョンは抱きついてくる
いつもいつでも誰にでも愛想よく愛嬌あるヒョンはみんなにベタベタしてるけど

きょうはやけに、ベタベタしてくるのだ。


別に嫌だなんて感じない。

いい匂いだし、優しいし、むしろ居心地よすぎて寝れそうなくらいだ


「ヒョンどうしたの、何かありました?」


ヒョンがいつもと態度が違う時は疲れてる時とか、悲しい時とか、精神的に来てる時くらいなんだ


へへ、僕はメンバーのことよく見てるでしょ?


そうやって聞くと少しだけ目をうるうるさせて肩に頭を乗せてきた


「......怖いんだよ。ヒョギがヒョギじゃなくなるみたいで」


呆気にとられた。
たかが高校を卒業したくらいでヒョンはそんなことに......?


普段器も大きいし度胸もあるくせに、何を言っているんだろう。この人は


「......ちょっと来てください」

「え、ヒョギ、ちょっと...!」


まだ衣装だしヘッドマイクも付けたまんまのエンヒョンの手を引いて控え室を後にする


ヒョン達に変な目で見られたけど気にしたら負けだよね



 
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