novel

□親友とは
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シャワーを済まし、コップに水を注ぐ。
睡魔からか疲れからか、ぼーっとしてしまう

「溢れる」

横から伸ばされた腕がペットボトルを取り上げた

「レオ、起きてたの」

正直驚いた。

レオはいつも帰りを深夜まで待っててくれる。
ただ今日は、ただの仕事だけではなく渋滞に巻き込まれいつ帰れるかわからなかったから
先に寝てて。って連絡したんだけど

「寝ててって言ったのに」

何も言わずにペットボトルを冷蔵庫に直してくれるレオに声をかける
答えなんて返ってくるはずもないのに妙に安心してる自分がいて

寝ててって言っても待っててくれることが嬉しかった。
いくら疲れてても、帰りを待っててくれる人がいれば頑張れた

レオは多くは喋らないけど本当に俺のことを理解してくれて、俺の喜ぶこと全部わかってるみたいだ

「ありがとうレオ......」

嬉しかった。本当に

まだまだ低い知名度をあげる為に、リーダーである自分が頑張らなくてはいけないこともわかる。
VIXXと言うグループの為に頑張れることは誇りだった

だけど自分だってみんなと同じ人間であって

疲れは溜まる一方だった。睡眠不足も影響してストレスだってすごくて
一人泣きした夜だって当たり前にあった

そんな時、いつも1番近くで見守っててくれ、支えてくれた俺の大親友。

「ハギョナ、」

今まで口を開かなかったレオが突然本名を呼ぶから、ドキッとした。

「無理はするなよ」

何度その言葉に助けられただろう。
決して長くはない簡単な文章だけど、エンの心には熱く刺ささるのだ。

「うん。...もう寝なきゃ」

安心しきったら突然睡魔が襲ってきた。
だけど心のどこかで離れたくないって気持ちが暴れまわってて

「レオ......一緒に寝たい...」

気づいたときには口から出てて、レオの服の裾を握り締めてた。
レオの目が見開かれてキョトンとした姿が見えた

「ごめ、やっぱり何でも「今日はやけに素直だな」

口のはしがフッと上がってしゃがみこんだかと思ったら軽々と抱き上げられた

「明日も早いからなぁお姫様」

今日のレオはこの世で1番悪い顔してて背筋がゾクゾクと凍り始めたのがわかった

「ばか、おろせ!」

最初は暴れてたものの睡魔には勝てず、レオの腕の中で意識を飛ばしてしまった。
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