novel

□ばれんたいんでい。
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バレンタインデー。

それは世界各地で男女の愛の誓いの日とされる、特別な1日である。


基本としては、女性が男性に親愛の情を込めてチョコレートを贈与するなんてことも言われてるけど


別に性別がどうって話ではないだろう。





2月14日。

いいやそれより何週間も前から、街中がピンクや赤など可愛らしい色に染められていた

店いっぱいに並べられたチョコレートの他に、大きいバスケットが目に飛び込んできて懐かしいな...なんて頬が緩む。



この業界に入ってからは、もう単位の違いすぎる数をもらったりして
なんだか本当のバレンタインの意味を忘れてしまいそうになる



数がどうこうそういう話ではなく、本当に大好きな人と過ごすことができればもう充分だな。って自分はそう考えるのだ

たまたま目に付いたお店に寄ってアイツが好きそうなチョコレートを手にしてレジに通した


「彼女さんにですか?」


ニコニコと話しかけてくる店員の言葉に顔が熱くなるのがわかった。

彼女、ではないだろう。


そう伝えるとアイツは絶対に不機嫌になるからこの話はこれで終わりだ。


彼女ではないけど好きな人へです、なんて。

この俺が言えるとでも思うか?



何とも可愛いラッピングをされて、テグンは待ち合わせ場所までの足を早めた。


ああ、遅刻だ。


きっとアイツは可愛い顔して怒るんだろう。



遅い!!




なんて。


 
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