novel
□雪
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季節は冬。
ソウルの冬は本当に極寒で、朝布団から出るのも嫌になるくらいの気温だった。
エンは珍しく未だに布団の中にいた。
寝起きの悪いメンバーを起こさなくてはならないのは十分にわかっていたが
寒さには勝てそうにもなく、あと5分、あと5分、と時間は進んでいくのである
コンコン、と部屋のドアがノックされる音がして意識をそっちに向けた
「エン?まだ寝てるのか?」
「......レオ」
いつも1番に起きてるはずのエンが起きてこない姿に疑問を感じたのか、レオが部屋まで訪ねてきた
寒かった心も体も暖かくなる気がした
「起きないのか?雪、降ってるぞ」
「え、ほんと!?」
その刹那、エンは大きく目を見開いた。
誰よりも子供っぽく純粋で素直なこいつが、雪と言う単語に反応しないはずなくて
「なるほどね、だから今日はこんなにも寒いんだ」
体をブルブルと震わせながらベッドから降りる姿があまりにも過敏で。
一瞬女の子に見えた気がして目を疑う
いつも1番に起きてるエンのベッドから起き上がる姿を見るなんて珍しい。
素足が床につく姿でさえも色っぽくて、レオは思わず視線を逸らした
寝起きでフラフラしてる肩を組んで玄関を出た