novel

□人間らしい
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「エンヒョン、映画に行きませんか?」

空に雲が1つもなくって気持ちのいい晴れた日。
そして珍しOFF。
最近疲れがたまってるように見えるから、気晴らしにいいかなって思って誘ってみた。

「映画?いいね」

雑誌を読んでた手を止めて笑顔を向けてくれる。
はは、もう僕の疲れは飛んでいった気分だ

「何見る?」

思い立ったらすぐに用意して、いつもならマネヒョンに送ってもらうところを今日は2人でゆっくり歩きながらお店に向かう。

まだそこまで知名度が高くないから出来る事なんだけど

「ホンビナ、こっち」

突然手を引かれて路地裏に連れて行かれる。

「ヒョン?」

路地裏から外を見るエンヒョンはステージの上と同じ顔をしてて、この間のサイン会に来てくれた子がいる、って耳打ちしてくれた

エンヒョンすごいや......サイン会に来てくれた人の顔、覚えてるんだ。

「行ったみたい、行こ」

そうやって笑うと腕を繋いで歩き出した

「ごめんなさい......」

「......何が?」

気晴らしに連れてきたのに、逆に気をつかわしちゃったみたい。
なんて、ウジウジしてたらキョトン、とした顔で見つめてくるから、恥ずかしくて何でもない!って吐き捨てた

「そ、早く行こ」

自分より背が低いから下から上目遣いされて、思わず心臓が飛び出しそう。

エンヒョンは年上なのに本当に純粋で素直で正直、可愛い。
男の僕から見てもヒョンは可愛い。そこらの女の子なんかより、何倍も。
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