世界が変わる

□第一章
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組閣での思いがけない出来事はいくつもあった。

私が予想もしてないライバルグループの兼任。

そして、SKEを象徴するチームのリーダーに迎え入れることになったのはあの人。



ファンの人たちは知らないけど、私が聞く限りは概ね大歓迎だったと思う。

だって宮澤さんに憧れてアイドルにになったメンバーはとっても多い。

宮澤さんと話したくても話せない、という子だってたくさん。

そんな中では選抜や色んな番組で絡むことが多い私を羨ましがっているメンバーもいると思う。





宮澤さんの出演している舞台の話は聞いていたけど、舞台好きな私は行きたいと思う反面なかなか行けなかった。

東京公演が終わって、その後は名古屋へ来るという話を聞いて皆が盛り上がっていても、



『行きたいな…でも行けないかな…』



そんな時、真那たちが舞台を見にいくと聞いてすっごい羨ましかった。

でもどうにかして行きたい!

あれこれと時間をやりくりしていると奇跡的に行く事が出来た。





優香ちゃんたちと一緒に見に行って挨拶しよう!という事でまず楽しみにしていた舞台を見る。





舞台は信じられないくらいの圧倒的な迫力で…




何より、宮澤さんの姿に釘付けだった。





『宮澤さん…すごい…』

「ね!すごいね!あー、本当にかっこよかったね!」

「本当に素敵でした!挨拶行きましょうよ!」





皆、簡単に私が言いたい事言っちゃうんだ。
むう。


楽屋に行くと皆はわーわー言って盛んに宮澤さんに色んな感想を伝えていた。

それをニコニコして聞いてくれている宮澤さん。





私は…




全くと言っていいほど話が出来なくて、皆と話している宮澤さんを見つめていた。

色んな言葉を伝えたい。

でも一度口を開いたら次から次へと色んな言葉があふれそうで。

言ってはいけないことまで言ってしまいそうで。

そんな気持ちが私の口を閉ざさせてしまっていた。

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