夏空

□第4章
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だけど勉強を始めてみると面白くなってきた。


玲奈の教え方がうまいのもあるんだと思うけど、1つ問題の意味が分かると同じような問題も解けるようになる。



その成長が分かるからか、玲奈もすごく嬉しそうで



「佐江ちゃん、すごいよね?最初と比べると違う人みたいだもん」

「いやあ、玲奈の教え方がうまいんだよ」

「ううん。やっぱり佐江ちゃんは本気出したらすごい人…ふふっ」




玲奈が嬉しそうだと俺も嬉しい。

正直2人っきりになるとしても何と言うか…受験生らしい付き合いと言うか…。

図書室とか外でも図書館とか?

俺の部屋にも来てもらったことはあるんだけど…




「佐江ちゃんの部屋って綺麗だねー…」

「うーん。綺麗好きなのと物があまりないからかな?」




なんて会話をした後は、玲奈の太ももが気になりつつも勉強する…というパターン。





「あ、もう帰らなきゃ」

「送るよ」

「ありがと…嬉しいな」





2人で手を繋いで歩く。

玲奈の家の前。





「じゃあまた。今日はありがとう」

「うん!送ってくれてありがとう!…後でメールするね?」





…こんな感じ。

いや、こんな感じだけでも楽しいんだけどね?

だけど…だけどぉおおおお!





「…良かったら…もうちょっと先に進みたい…」




玲奈とのキスも実はあの告白の日以来さっぱりだ…。

あの時は勢いと言うか。

タイミングが良かったっていうか。



だけどその後は何だか意識し過ぎてしまって何も出来ないでいる。





勉強を教えてくれてる玲奈のふともも。

説明してくれている玲奈の唇。

テキストをめくると落ちてくる髪をかき上げると見える玲奈の白い首筋。




「俺は勉強時間、どこに注目しているんだろう…」



いや、これがきっと健全な男子なんだ!

才加だってきっとともちんに…。

想像してみようと思ったが何だか気持ち悪くてやめた。

友達同士っていうのは生々しくて例えでも妄想はしたくないよな。

たまにやる小テストでも成績が目に見えるように上がってるので先生たちはびっくりだ。


それだけじゃなくて才加たちや山本も。




「うわっ、佐江に点数で負けるとは…」

「ふっ、俺の実力はこんなもんだ」

「はっ。よく言うわ。玲奈に教えてもらっとるからやろ」

「何をっ!ノーマル鷹は角隠しって言うだろう!」

「…はぁ?」

「あれ?違う?」

「あははは!安心したわ!あはは!相変わらずのお馬鹿な佐江で!あはは!」

「なっ、なんだと!?」

「ノーマルて!ハイクラスの鷹はどれやねん!角隠しちゃうわ!爪隠すやろ!あんたは花嫁か!」

「うがーっ!何が違うか分からないけど悔しい!」





…山本とはこんな感じ。
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