明けない夜が明ける頃

□第3話
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佐江ちゃんの手が胸に触れて、目を閉じて横を向く。






「恥ずかしいの?もう何度かこんな事しているのに」

『だって…佐江ちゃんが初めてだから、それまでにたくさん経験があるわけじゃないから…』

「それ、やばいね」

『ふぇ?』

「計算じゃないなら天然でそんな可愛い事言えるなんてやばい」








佐江ちゃんがキスをして、貪るように私の口の中を犯していく。

キスだけで、もう…。



佐江ちゃんが胸に触れていた手を動かすと、それだけで何とも言えない感覚が走る。








「玲奈さ…」

『何…?』

「下、触って欲しいなって思ってる?」

『えっ!?それは…』

「だってすごく足をもじもじさせてる…」

『ううううー』






佐江ちゃんはニヤニヤしてたけど、不意に表情を曇らせる。






「やっぱり…今は先生と生徒だから難しい?」

『…佐江ちゃん…先生って言っても、研修だから…』

「でもその前は会ったばかりだから応えられない、だったでしょ?」







佐江ちゃんは私の頭を撫でて、その後頬を撫でてくれる。






「佐江の事、高校生って分かったから頼りない?」

『そんなこと!…だって、佐江ちゃんは私の周りの誰より頼れるよ?』

「でも、まだ付き合えないでしょ?」

『臆病なだけなんだと思う…今まで誰とも付き合った事がないから…』

「玲奈…佐江は、玲奈との約束を守るよ」

『佐江ちゃん?どういうこと?』

「例えば、今だったら…学校の皆には黙ってる」







佐江ちゃんの手は…私の手に移動する。








「玲奈が研修終わるまで。…もしも先生になってうちの学校に来るとなっても佐江が卒業するなら大丈夫でしょ?」

『佐江ちゃん…まだ先生になるか分からないよ…』

「今は、でしょ?でももしかしたらなるかもしれないし」







移動した手が私の手をぎゅっと握る。






「玲奈の負担にならないように佐江も頑張るよ。失いたくないから」

『負担とか考えないで?そんな風に思わないから』






佐江ちゃんの顔がゆっくりと近づいてきて目を閉じた…。
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