世界が変わる
□第九章
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佐江Side
「玲奈?玲奈?寝ちゃった?」
『んー…すぅー…』
どうやら玲奈は寝ちゃったみたいだ。
ところで…何がどう良かったんだろう?
とりあえず…うううー、中途半端だし…着替えさせたがいいか?
多分、このバッグから出しているこれが着替えかな。
半端にはだけた服をなるべく凝視しないようにして、一応断りを…。
「玲奈。これはいやらしい気持ちじゃないんだ。寝苦しくなるとね、ほら、アレだからね」
自分でもよく分からないけどとりあえず言い訳をして着替えさせることにした。
…眠っている女の子の服を脱がせていると、犯罪者みたいな気持ちになるね、うん。
下着姿にした時点でちょっとホッとする。
いや、あまり見ないようにしているんだけどね?
玲奈、スタイルいいからな…ちょっと変な気持ちにならないこともないけど…そういうのは駄目!と自分に言い聞かせる。
大体、佐江の事は今度の組閣できっと新しいリーダーとして頼ってくれているだろうに。
そんな見方をしたら駄目だよ。
ゆきりんとかにゃんにゃんのこともあるのに…。
とりあえず寝巻きと思しき着替えをどうにかして着せる。
玲奈はのんきにすーすーと寝息を立てている。
きっと張り詰めているものあるんだろう。
玲奈をベッドに寝かせて、自分もその隣に寝転がる。
ダブルベッドで良かった…。
電気を消して暫くすると、玲奈が寝返りを打って…
「うおっ!?」
佐江にぎゅーっとしがみついてきた。
だ、誰かと間違えているのかな?
『すー…宮澤さん…』
「!な、何?」
『すーっ…』
「寝言か…って寝言でなんで佐江の名前??」
よく分からないけど夢の中でまだ佐江と飲んでいたら大変だ…。
髪の毛が乱れている。
そっと指先で後ろに流してあげて頭を撫でる。
「あーあー…可愛い寝顔しちゃって…」
玲奈の寝顔を見ていると、ふとゆきりんを思い出す。
でも全然似てないんだけどね。
色白で、今はちょっと茶髪だけどそれも似合ってる。
お酒が入ったせいか、多分今日は熟睡だろう。
家に無理矢理帰さなくてよかった…。
玲奈に抱きしめられて、佐江も眠りにつくことにした。
今日は…ゆっくり寝れるかな?
しがみついて離そうとしない玲奈を見た後に目を閉じた。