短編集@
□私は知らない。
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明日香 Side
「ねー。もっちぃ?」
「んー、何?」
隣にいるうなたまが不思議そうにスマホを見ている。
「Twitter始めたでしょ?
皆フォローしているのに…なんで佐江ちゃんをフォローしないの?」
「え…うーん、だってぽっちゃんからもしてくれないし」
「ふーん。仲いいのに不思議だなあと思って」
そこにスタッフさんから声がかかる。
「北原さーん!出番近いんでお願いします!!」
「はーい!…佐江ちゃん、忙しいからうっかりしているのかも?
もっちぃが気を利かせてあげなよ!行ってきます!」
そういって元気良く出ていくうなたまに笑顔で手を振る。
でも実際に心の中はどんよりとしているし、痛い所を突かれた気分だった。
そう、私はぽっちゃんのTwitterをフォローしていない。
分かってはいるんだろうけど、してくれないのかな。
だったら私がすればいいのに?そうなんだけど…
ぽっちゃんの近況を知りたくない。
独占欲にまみれている私は素直にフォローすることが出来ないでいる。