スパークル

□第4章「青天の霹靂」
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それはちょっとした思い付きやった。
レッスンで習った事を復習したいから下のレッスン室へ行こうと思った。

彩も誘おうかな。
部屋をノックするけどいない。

携帯で連絡してみようと思ったけど、そこまでせんでもええかあと諦めた。




彩とは同じ場所から上京したし元々友達。
でもそんなに始終べったりって関係やない。
アイドルのオーディションを彩も受けるって言ったのはびっくりやったけど…



全く興味なかったのになあ。
そんだけ夢中にさせる宮澤さんってすごくない?
ってこっそり思ってる。




グループのメンバーのことも全く知らんのに宮澤さんに会いたい、って一心でここまで来てるって。
ただライバルはめっちゃ多い。
宮澤さんはかっこよくて優しくて面倒見が良い。
後輩からはキャーキャー言われるし同じメンバーでも好きな人は多そう…。

私ももちろんかっこいいなー、実物も感じがええ人やなーなんて思うけど。




『アイドルとしては尊敬してるけどやっぱり男の子にモテたい』





っていうのは正直な気持ち。
もちろん誰にも言えへんけどねっ。
女の子もかっこいい子、可愛い子は好きやし仲良くしたい。

隙あらばお友達になりたい!
けど彩ちゃんとは違うんよなあ〜。





スキップしながらエレベーターへ向かう。





「あっ、あっ…み、みるきーやん?」
『んー?あ、百花ちゃん…やったっけ?』
「百花でええよ…どないしたん?どこいくん?」
『うん。レッスンのおさらい』
「そうかあ…」





いつもサクサクと喋ってるのに変な感じ。
そわそわしてるっていうか。






「あ、あんな?もし良かったら部屋に来いひんかなーって」
『百花…の部屋に?』
「そ、そうや!百花の部屋に!」
『行きたいのは山々やねんけどぉ…』






顔の前で両手を合わせて首を傾げてすまなそうな顔を作る。





『ごめん!今日こそは練習しよ!って思ってて…うちは怠け者やから思った時に行かんと後悔しそうやから』
「そっか…しゃあないよな」
『でもまた誘って?いっぱいお喋りしよ?』
「お、おお…!もちろんや!約束やで!」






百花はウキウキした足取りで帰ってった。
それを手を振りながら笑顔で見送る。

これでオッケイ。
悪い子やないけど明らかに私に興味持ってくれてる。
適度なお付き合いにしといた方がええやろな。
かっこいい子やけど…うーん。






『いや、とっとと下りよ』





エレベーターに乗る。
到着したらすぐにレッスン室へ。





誰かおるんかな?

音楽が聞こえてるか耳を澄ますけど何も聞こえへんし…

でも明るいのはなんでやろ?消し忘れ?

ひょこっと中を覗く。
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