セツナレンサ

□第7章
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今日は昼間は玲奈とデート、っていうか映画だ。

夜はゆきりんとデートの予定。多分お泊まりOKだよね?
すごく楽しみなことが続けて予定に入っているって幸せだ。


ただ気がかりはある。
まゆゆのこと。

でもあの後も話したし、多分近い内に約束は作れるはず。
一緒にいてくれるだけでいい、か。
話したい具体的なこともあるかもしれないけど、単に誰かと一緒にいたいとかなのかな。

まゆゆって1人暮らしだったかな?
考えてみたらあまり個人的なデータは知らないや。

思わず天を仰ぐ。
ああ、本当に好きになった人以外には無関心なのダメなとこだ。







「お待たせ、佐江ちゃん!」
『やっ。そんな待ってないよ』




映画館の前で待ち合わせ。
今日の玲奈は何と言うか…すっごくデートって感じのファッションだ。





『なんかいつもよりもオシャレだよね?』
「そうかな?楽しみだったから気合が入りすぎたかな」



気にしてる素振りを見せたので




『でもすごく可愛いよ。普段も可愛いけど更に』
「ありがと…う、でも普段は無頓着だからたまにはと思って」




確かに。
言うと悪いけど普段は結構気を抜いてると言うか…
いわゆるヲタファッションみたいなときもある。
だけど佐江もファッションセンスないってよく言われるからあまり人の事を言えたもんじゃない。




なので。




『それはそれで玲奈っぽいし好きだな』
「うふふ…佐江ちゃんって本当に上手なんだから」
『いやいや、思った事言っただけだから…あ、どの映画見るの?』




シネコンはたくさんの映画が上映されてる。
どの映画を見るんだろう?と思ったけど玲奈の選ぶ映画ってちょっとピンと来ない。
読書も好きで映画も見るし、佐江よりもずーっと博識だから。




すると玲奈は嬉しそうに映画館のポスターを指差す。




「これっ」
『えーっと…バベットの…???うーん、何とか会?』
「晩餐会。ばんさんかい、って書いてあるの」
『へえ…』





晩餐というのは何だろう…。






「あ、晩餐って夕食てことね。ディナーって意味」
『佐江の考え読んだ?』
「顔に書いてあったよ?なんてね。行こう」




思わず顔を自分で撫でてみる。
佐江は顔に出やすいのか…。


すごく昔の映画らしくてパンフレットもないけど恐らく玲奈は知ってるんだろう。

飲み物を買って席に着いて映画が始まるのを待つ。





『玲奈はこの映画を知ってるんだよね?』
「うん、実は子供の頃見た事があるんだ」
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