セツナレンサ

□第6章
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授業が終わって背伸びをする。




『ふぁああああーっ』
「また眠そうだね?大丈夫?」
『んんー…最近忙しいかも』





いつもならあくびばっかりの佐江を笑う玲奈。

でも毎日眠そうにしているとさすがに心配そう。
それだけが理由じゃないけど。





「今日ってバイトだよね?」
『うん、玲奈も?』
「多分佐江ちゃんよりも早く終わるけどね。お店は今日はどっち?」
『ええと…あ、今日は才加の店だ』
「だったらご飯食べに行こうかな」
『夜中に食べると太るぞー?』
「うっ…い、いいもんっ、野菜しか食べない…」
『冗談だってば。玲奈は細いからもっと食べなよ』




本当に玲奈はダイエットなんか考えないで欲しい。
ただでさえ折れそうなくらいに細いんだから。



教科書やノートをバッグに収納しつつ会話を続ける。





『じゃあ仕事が終わったらおいでよ。一緒に帰ろうか』
「うん!…あっ、ごめんね、もう行かないと」
『もしかして今日は早く入ってって頼まれた?』
「そうなの。佐江ちゃんはいつも通り?」
『うん、じゃあまた仕事終わってから会おうね』
「ふふっ、また後でね」






玲奈はいそいそと去っていった。


さて。



帰りの途中でご飯を食べたりするけど…
最近忙しいからか、あまり食欲ない。

よし、さや姉のたこ焼きで済ませるかっ。
確か今日は出勤日のはずだからね。
時々さや姉とはやり取りをする。
なので近々の出勤状況は既に聞いたばかり。



夜のお店の方も知りたいけど

「宮澤さんがお店に来ちゃったら緊張しますから…」

って教えてくれなかった。
あまり見られたくないのかな。





携帯を開いて連絡をチェック。





まだか…。






ゆきりんからここ3日くらい返事がない。
毎日やり取りしていることもあれば数日開くこともある。

それは仕方ないんだよな、だってお母さんは厳しいって言うからあまり携帯触れないこともあるんだろう。
いくら付き合ってると言ってもしつこく連絡するのは重く感じられるかもしれないな。



だけどだけど!


『会いたいなあ』




声も聞きたいけど電話したら会いたくなる。

ゆきりんは今何をしてるんだろう?
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