セツナレンサ

□第5章
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佐江ちゃんから連絡が来た。



メッセージの着信があるとドキドキする。
佐江ちゃんの名前があったら最高にときめいてしまう。

それ以外だと…申し訳ないけど正直がっかりする。





この前お泊まりに行って…初めて抱かれてもっともっと夢中になった。




男性経験はあったけど女性に対する興味は昔からあった。
出会い系を利用したりしたかったけど勇気はなかった。
友達でそういう嗜好がある子はいたけど、それを告白する勇気もなかった…。







ある日、SNSでそういう集まりがあるというのを目にした。
家からも近いしちょっとだけと思って参加してみた。

声をかけられたりしたけど、やっぱり警戒心が先に立った。
いかにもって感じですぐに2人きりになりたがってる人とか、正直タイプじゃない人とか。




やっぱり帰ろうかな…。

そう思った時に出会ったのが佐江ちゃんだった。
かっこいい人だと思ったけど優しくて気が利いて、私みたいなずぼらな人間にはこういう人!と直感で思った。





佐江ちゃんも色んな人に声をかけられていたから私なんか…と思っていたので余計に嬉しかった。

その後もこちらを見てくる人がいたから、多分佐江ちゃんに相手にされなかった人だったと思うけど…

それでも佐江ちゃんは私の隣を動かないでいてくれた。
すごく嬉しくて、でもどうしていいか分からなくて。
すっかり佐江ちゃんに頼ってしまったけど一緒にいるのはすごく楽しかった。







早く会いたかったけど引越ししたり、色々忙しかった…
けど、会えない時間を感じさせないくらいに佐江ちゃんと連絡を取り合った。

佐江ちゃんはとてもマメで、本来は面倒くさがりな私も頻繁に連絡をした。
本当に不思議。
やっぱり佐江ちゃんは私の運命の人なのかも。







佐江ちゃんの家に最初に行った時は緊張とか不安もあったし…何より覚悟が足りなかったんだと思う。

その後で会う時は必ず、と決めていた。
きっと佐江ちゃんも望んでいたと思ったから。
本当はドキドキして今すぐにでもと思っていたけど。




自分の胸に手をあてる。
今もドキドキしてる。
あの夜のことを考えると嬉しすぎて。




「私の中にこんな乙女の部分があったなんて…」





何度も考えては悶絶しそうになる私は思ったよりも“女の子”だったのかもしれない…。
そんな風に私をさせた人は佐江ちゃん1人だけ。
付き合ってって言われて断る理由はなかった。
あんなにイケメンで優しい人、モテモテに違いないのに私みたいなのでいいのかな?
そう思っても断る気には全然ならないんだもん。






「佐江ちゃん…」






早く会いたいな。
ちょっとだけでも会いたい。
本当はもっと長くいたいけど…。

佐江ちゃんも仕事と学校で大変そうだし無理は言えない。
私も色々忙しかったけど、これからは時間が出来ると思うからゆっくり会えるかな。
















ノックの音が聞こえる。




お母さんがドアを開けに行った。
誰だろう?
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