セツナレンサ

□第3章
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「いらっしゃいませ!…あっ」
『よっ。今日はいたんだね。座っていい?』
「もちろんです。お友達もいらっしゃいませ」
「こんにちは…」




今日はさや姉のお店でランチ。
玲奈は自前のお弁当があるけど佐江のわがままを聞いてもらった。


1つしかないテーブルに座る。



「佐江ちゃん、あの人と仲良さそうだよね」
『うん、友達になった…のかな?』




さや姉は相変わらず敬語だけどそういう人なんだろうと思う。
おまけに何度言っても名前を呼んでくれないけど。




「何にします?」
『うーん…』
「いつもの?」
『あっ、そうだね!いつものっ!』
「ふふっ、少しお待ちくださいね」


さや姉に頼むのは大抵たこ焼きだ。
わざわざ「いつもの」ってのも変だけど。

ニコニコしながらたこ焼きを焼いてくれてる。

玲奈が小声で話しかけてくる。




「ねえ、佐江ちゃん」
『ん?』



先に注文したドリンクを飲みながら相槌。



「あの人…なんか佐江ちゃんに対して特別扱いじゃない?」
『へ?どこが?』
「だっていつもの、って」
『それは毎回同じ物を頼むから…』
「毎回なんだ?ふーん、そんなに来てるんだ?私が知らない時に」
『いや…ええと…そんなには…』



考えてみたらそうでもない。
数える位しか…うん。




「さっきも佐江ちゃんとしか通じない話しちゃってさ…」
『あの…そこまで深い話はしてないよね?ね?』



玲奈の顎と口が尖ってる。
何故なんだろう…。

玲奈はどちらかっていうとマイペース。
しかも結構おとなしいマイペースだ。
皆と仲良くするけど特に親しいっていうのは佐江しかいないかも。


それを考えると…。

うん、やっぱりそうだ。





「な、何?」
『玲奈、佐江は玲奈のことを特別に思ってるよ』
「…え!?え、え…そ、それって…」
『大丈夫!佐江は玲奈の特別な友達だよ!』
「…そう」
『だからさ…玲奈から離れないからね?』
「…本当に?」
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