夏空

□第6章
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夏休みがこんなに有意義なものだとは知らなかった。



「どうしたの?」

「いや、何でも…」



俺の部屋で一緒に勉強する玲奈。

とにかく可愛い。頭もいい。

時々大声で「俺の彼女、めっちゃ可愛いーー!」と叫びたくなる。

…でも通報されたくないので我慢しています。





夏休みに入って一緒に勉強する日が多くなった。

本当は玲奈の家でもいいんだけど…

邪魔してくるお子様がいるからなあ。

ほぼ毎日会っても飽きないし、もっと一緒にいたくなる。

玲奈…。思わず心の中で呟く。





「ん?何?」

「えっ」

「えっ?えっ?佐江ちゃん、今呼ばなかった?」

「あ、あれ?心の中で呟いたのに…」

「そうなの?…もう、口に出てたよ?」




玲奈はおかしそうに笑う。

俺は何か恥ずかしくなる。




「玲奈…」

「どうしたの?また口に出てる…」

「キスしたい」

「…えっ!ええっと…」




玲奈は一人でバタバタと落ち着きがなくなった。

でもすぐに身だしなみを整えて、



「は、はい…」

「いいの?」

「佐江ちゃん…恥ずかしい事、何度も聞いちゃダメなんだよ…?」



玲奈が真っ赤になりながらそう言う。

そうだよな…。

玲奈の向かいに座っていたから…隣に移動する。


ちょっと緊張している玲奈の両肩に手を置いて…



「…ん」


キスをした。

…ドキドキする。



「玲奈…」

「…え…佐江ちゃん…?」



ゆっくりと玲奈を押し倒した。

玲奈は大きな目をパチパチとまばたき。

首筋にキスをする。



「あんっ」


唇以外にキスをするのは初めてだ。

そして玲奈の甘い声に心臓は高鳴る。

白い首筋から鎖骨へ唇を移動させる。



「佐江…ちゃん…」



もう一度唇を重ねる。

そっと胸元に手をやる。
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