こいのうた

□第三章
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中学に入ってすぐに皆仲良くなった。

グループに分かれたりはするけど、割と団結力はあるかな?と思っている。




色々あるけど特にトラブルもなく…




「佐江ちゃん!今日は一緒に帰ろうねー!」

「あれー?小嶋さん?別のクラスの人は入らんといてや」

「ちょっと、みるきー!同じクラスだからって偉そうにしないで!」

「にゃんにゃーん!俺と帰ろうぜー!」




…トラブルはありません。多分。

そしてお風呂事件の後も玲奈はそのことを口に出すこともなく。

もちろん「また一緒に入りたいな…」なんてことは…たまにしか言われないから、まあ平和。



勉強は難しいけど…



「宮澤くん?さっきの問題の解き方分かった?」

『あー、柏木さん…ううん、俺、馬鹿だなあ…わかんないよ』

「じゃあ、教えてあげる…ね、机をくっつけよっか?」

「あー!佐江ちゃんを独り占めしてるー!」

「柏木さん…おとなしい顔して要注意やな…」

「わ、私は別に…」




多分…平和。

まだまだ一学期。

確かに勉強は難しくなったし、英語とか本当に訳わからない。

数学も難しいし、国語も読めない漢字が多いし、理科も社会も…。



『…全部わかんない』




ガクッと項垂れるとすぐに柏木さんは励ましてくれる。



「ど、どうしたの?元気出して?」

『うう…勉強分からないよ…何のとりえもないし…大丈夫かなぁ…』

「そ、そんなことないよっ!だって宮澤くんは体育とか何でも上手だし、それにかっこいいし…」

『体育はね…かっこいいかどうかは分からないけど、運動だけは出来るんだよな…』




もちろん逆に勉強は出来るけど運動はダメって人もいる。

だけど体育が出来るからって大した活躍は出来ない気がする。





「ううん!だって体育祭とか記録会とか…色々と活躍できるでしょ?絶対に宮澤くんはヒーローだよ!」

『そ、そうかなあ?えへへ…』



ちょっといい気分になってきた。




「うんうん!そしてたくさん目立って…きっともっとファンが出来て…」

『か、柏木さん?』

「きっと…同級生だけじゃなくて、先輩の中にも“わっ!あの子可愛いっ!”なんて思う人とか…」

『おーい、柏木さーん?』

「一年後には後輩にもファンが…くっ…」

『か、顔が怖いよ?大丈夫?』





柏木さんといると癒される気がしたのは…気のせいかな…あはは…。




そういえば、部活に入ろうと思っていたけどまだ決めてなかったなぁ…。

やっぱりサッカーがいいかな?

本当はバスケって思っていたけど…。

まだまだ身長が伸びているから、バスケとかバレーがいいのかもしれないけど…。






「ねー、佐江ちゃんは部活決めた?」

『まだ悩んでいて…にゃんにゃんは?』

「陽菜はねー、佐江ちゃんのマネージャー!」

『…俺は芸能人じゃないよ、にゃんにゃん…』
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