ワンモアタイム

□第6話 『恋』
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私と久美は手を繋いで私の家へと帰った。

そして部屋に入ると…玲奈が待っていてくれた。







「おかえりー」

『あー、ごめん、玲奈…すっかり留守番させちゃって…』

「私からも…ごめんね?玲奈ちゃん…なんか…」

「ううん!…2人は、そのお話できたの?」

『あ…うん。ええっと…両思いらしい…』








我ながら間抜けな回答だった。



でも玲奈は苦笑いしながら、








「もうー、私に気を使わなくていいんだよ?…2人はとってもお似合いだもん」

「玲奈ちゃん…私ね、ずっと名前の事が好きだったの」

「うん…」

「名前は鈍感だから気付かなかっただろうけど、玲奈ちゃんの気持ちは分かってたよ」

『え!気付かなかったのは私だけ!?』








2人からすっごい軽蔑された目線を向けられているような気が…。








「でもさ、良かった…本当に最近色々あって私、焦っちゃったけど…」








そこで玲奈はにっこりと微笑んでくれた。








「それがきっかけでようやく2人が付き合う事になったのなら良かったって思うよ?」

『あ…』

「え…」








どうやら久美も同じことを考えたようです。

真っ赤になっている。









「??どうしたの?」

『いや、そうか…付き合うってことは言ってなかったな…』

「え?え?両思いって…確認したのになんでその話はしてないの!?」

『好きだって言うのも結構な覚悟だったんだって!ねえ?!』

「… … …」

『え。すっごい赤いんですけど』









久美さんは真っ赤になって俯いています。



玲奈は腕組みをして「もー!本当に名前ちゃんは世話が焼けるんだからー!」とか何とか。







「ほら!…久美にちゃんと申し込んで?」

『え?えええええっ、こ、ここで!?しかも玲奈の目の前でとか何の罰ゲームだよ!』

「そそそそうだよ!玲奈ちゃんの目の前で何を…!」

「だって…絶対に私が帰った後に2人きりになっても言わなそうだもん」








それは確かにそうですね。

さすが玲奈さん。よくご存知で。








私は改めて久美に向き直った。





…2人の目線が痛いです。
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