短編集A

□誰を選ぶの?
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「佐江ちゃーん」

『…おー、みるきー!どうした?』

「あのなあ?明日のS公演って出るん?」

『明日は出るよ。みるきーもでしょ?』

「もちろん!…なぁ?その後は…」

『あはは、了解。また連絡するね!』







みるきーがニコニコしながら去っていく。

もちろん佐江も笑顔。






そして…






「みやざーさん…」

『ん?さや姉…おはよ!どうした?』

「今、みるきーと一緒におらんかったですか?」

『ああ…みるきーとは名古屋でも一緒だからさ。明日の公演の事話してたんだ』

「あの…その」







もじもじしているさや姉。

思わず悪戯心が沸く。

ぐいっと手を引っ張って抱き締めると「あっ」と小さい声を漏らして、遠慮がちに抱きついてくる。






「うちのこと、飽きたんかなって思ってて…」

『何言ってるの?さや姉は可愛いしスタイルいいし、おまけに性格だっていいじゃん』

「でも、みるきーと…」

『みるきーとは栄で同じグループでチームでしょ?仲間意識が強いんだよ』

「…何だか、勝手に心配してすみません…」

『謝らないで?時間は今日はある?』

「はい…でも取材の合間くらいしかないですけど…」

『佐江に…してほしいことがある?』

「そ、それは…」







かあっと赤くなるさや姉。

体は最高だし、性格だって可愛い。

身長の割りに豊かな胸は何度揉みしだいても飽きないんだ。







『…じゃあ、ちょっとだけ気持ち良くしてあげよっか?』

「…恥ずかしいですね、ほんまに…んっ」

『先にキスだけしておくね?これは約束のキスだからさ。忘れないで?』

「みや…ざわさん…」






とろんとした目。

きりっとした目が潤んでいる。




ああ、やばい。本当にやばい。



このまま突っ走りそうになるのを一生懸命留める。








「あ…もう行かんと…もっと宮澤さんとおりたいねんけど我慢します…」

『うん。後のお楽しみにしようね?』

「はっ、はい!」








そう言うと走り去って行くのを見送る。可愛いね、本当に。
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