短編集A

□セクシーバードの決意
1ページ/9ページ




宮澤さんが私たちのグループにやってきて、数ヶ月が経過した。


私は元々憧れていたし、それはそれは嬉しくて仕方がない。



だけど…他の子達みたいに素直になかなか近付けない。





前に番組の企画で共演した時は嬉しかったなぁ。

ついでにいうと、その中でカップル役で演技をした時も、もう、もうっ…。








「あーはいはい。番組終了後に興奮して鼻血出したってあれね」

『は、鼻血なんか出してない!あいりんみたいに変態じゃないんだからね!』

「変態は否定しない。後悔もしていない(キリリッ)」

『いや、キリッとしながら言われても』







皆、あっという間に馴染んじゃってさ…。


最初は敬語に名字呼びの人まで今では名前で呼んでいたり。







「だからちゅりも名前で呼べばいいじゃん。自分から名前で呼んでねって言ってくれてるのに」

『あああ…それが出来れば悩まないんだよ』

「佐江さんもそれを望んでると思うけど…」

『ちょっと待って』

「んあ?」

『なんで私が宮澤さん、なのに…あいりんが佐江さん、って呼んでるの?』

「え?いや、だって古川にも名前でいいよ!って言われたから…」

『わ、私がまだなのに!一抜けとか誰が許しても、私が許さないぃいいっ!』

「ひいっ、だ、だから鳥もそう呼べばいいじゃんって…く、くるじい…首締めるなぁあああ」

「な、何をやってるんですか?」

『あ、みなるん…』

「はぁはぁ…いや、今ちゅりに殺されそうに…」

『ただ首を締めていただけじゃん…』

「いいですね…締められる首があって…」

『「え??」』








何だか突然登場したと思ったら自虐的なことを呟いて去って行った…。








『何だか悪い事しちゃったかなぁ』

「みなるんよりも古川に謝れ」








あいりんはあいりんの癖にすっかり名前呼びしちゃってるし。



私はまだ…まだ、全然出来ないのにっ!




とりあえずあいりんを置いてふっと廊下へと出てみた。






「あ、お疲れさまー」






こ、この声は!振り向いたらやっぱり…!







「やっ!ちゅり!元気?」

『み、宮澤さん!お疲れさまです!』







はあ、癒される…。その元気な笑顔に癒され放題です。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ