短編集A

□続・今日は何の日?〜珠理奈ルート〜
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せっかくキスの日だっていうのに…。

佐江ちゃんにロマンチックなキスをしようと思ったのに!






『ええい!何故こういう情報は色んな人たちが知ってるんだろう!』

「それは私が聞きたいんですけどー…」

『玲奈ちゃんさー…私がしたい事が分かってるなら譲ってよー!』

「ええ!?それは珠理奈が年上である私に譲るべきだったでしょー!?」







2人で柱の陰で言い合いをしているのが、何となく情けないです。








「仕方ないよ…あれじゃ入れないもん」

『あああ、他の人ならともかく、柏木さんがきちゃったら入れないねー…』







そうなのです。

私と玲奈ちゃんで佐江ちゃんのキスを巡っている時はまだ良かったけど…いや、それでもよくないけど!

柏木さんが来てしまったら、あの無言のオーラに圧されて何も出来ません。








「え…どこか連れて行かれるよ?宮澤さんがっ!」

『な、なんだってー!?やばい!急ごう、玲奈ちゃん!』

「い、急ぐのは私の体質的にちょっと…」

『何を言ってるの!早く行かないと佐江ちゃんがっ!』








バレないようについていくと、今まで宮澤さんにアタックしたらしき人たちに次々に会った。








「こ、これだけの人たちが宮澤さんと…」

『玲奈ちゃん。よろけてる場合じゃないよ。キスを奪うのは命がけ!これが勝負の世界だからね!』

「じゅ、珠理奈?何だか分からないけど神々しく見えちゃうよ…」








たくさんいるから、この人数だったら止められるはず!



ついでにどさくさに紛れて佐江ちゃんを連れ出せば…








『うひひひひ』

「ごめん。神々しさゼロだった」







はっ!こんなところでニヤニヤしている場合じゃない!

皆を先導してついていくと…医務室?







皆もさすがにガヤつくのをやめて扉に耳を押し付けている。

…それを大勢でやっているのはさすがに異様らしくてまわりの目が気になるけど!






すると案の定、柏木さんが佐江ちゃんにものすっごい迫ってる!



こ、これは止めないと!





他の人たちも思いきり黒いオーラまとってる!



これだけ集まれば柏木さんにも負けないはず!
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