電照菊

□高校生時代E
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色々なことを経験しながら時間は進む。



そして受験の時期がやってきて、試験を終えたら後は結果を待つ日々。




『ああー…受かって欲しいようなそうでないような…』

「えー。まだそんなこと言ってるのー?」

『だってー、試験で何日か離れているだけでも辛かったんだもん…』

「それねー、佐江ちゃんもすごかったよ?とにかく暗かったんだからー」

『え?あのぽっくんが?』






いつもぼんやりしていて、先生に怒られるのは一日に何度も。

部活でもしょっちゅう転んだりボールがぶつかるまで気付かなかったり。







「優ちゃんがすっごい心配していたんだけど、本人は大丈夫―ってふらふらしてたみたいだよー」

『そんな風に見えなかったのにな…』







数日後、島に戻ってきた時は港にぽっくんが出迎えてくれて。

私の家族と馴染んでいる様子もちょっと面白かった。

昔は怖がっていたお父さんともそれなりに仲良くなっちゃってさ。

お父さんは相変わらずな態度に見えるけど、実は家の事を考えて家業を継ぐことにしたぽっくんを気に入ってる。





ただ…





「明日香―!!」

『あ、ぽっく…きゃあっ!』






そのまま私に抱き付いてお姫さま抱っこをされたときはちょっと恥ずかしかった。





だって…




「ゴホン!」

「お父さん、いいじゃないの。久しぶりなんだし」






面白くなさそうなお父さんとフォローするお母さんの姿が抱き上げられた肩越しに見えたので…。






「あはは!やったー、生の明日香だー!」

『もう、大袈裟だよ?ほんの何日かだったでしょ?』






ちょっと離れただけでこれだったら…って本気で心配したのを思い出した。







「でもさー、今度空港が出来るみたいだよー?そうなるともっと便利だよねー」

『そうなんだってね!今までは船だったから時間かかっていたもんねー。良かった…』






飛行機があるならお金はかかるけど、行き来するのが結構早くなる。

もしも合格して離れても大丈夫。


頑張れば大学の4年間に何度かは会える。




…何度か。



毎日会っていたのにそれで我慢できるか、不安もあるけど。


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