電照菊

□高校生時代B
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中に入ってドアを閉めると遠くに花火の音が聞こえる。

結構防音しっかりしてるんだ…って、何を考えているんだろう、私。




「意外と外の音が聞こえないよね?」

『え!そ、そうだよね!うんうん!』

「?…明日香、緊張してる?」

『そそそんなことは、ない、と思うけどどうだろう、ね?』

「あはは…実は佐江も緊張してる…」

『…ぽっくんも?』

「うん」





そう言ってベッド仕様に変化させたソファの上にシーツをかぶせて掛け布団を用意するぽっくん。

さっきまでソファだったのはソファベッドだったんだ。

その上に腰を下ろすとぽっくんは私の手を引っ張って隣に座らせる。





「明日香の事をずっと好きで、好きすぎて、色々なことしたくなった」

『色々…例えば?』

「ええと、キスとかさ」

『他は?』

「抱き締めたりさ」

『他は?』

「服を脱がしたり、胸揉んだり、太もも触ったり…」

『ストーーーーーップ!!も、もういいよ!』

「なんだよー!明日香が言わせたんじゃんか!佐江は恥ずかしいのに我慢して言ったんだぞ!」

『いえいえ!あなた途中からノリノリでしたよね!?』





あははって笑うとそのままベッドに寝転がって天井を眺めるぽっくん。

なんか私のペースにしたいのにはめられてる感じがする…。




「シャワー使えるけど浴びる?」

『あ、いいの?そんなに汗かいてないけど…やっぱり浴びたいな…』




多分これはそういう意味。

だったら少しでも綺麗にしたい。




「バスタオルとか一応バスローブも用意しているよ」

『え。そんなのまであるの?…お父さん達が使っているの?バスローブ』

「違うよー、佐江が用意しておいた!明日香を誘うつもりだったしね」

『わー、そのつもり満々だったんだー?ぽっくんってやらしい〜』

「なっ、あ、明日香だって…嫌じゃ、ないよね?」

『当たり前じゃん…』




その時が来るのを意識してはいたけど…うん、大丈夫。落ち着こう。




「あ。そうだ。明日香は自分で浴衣は着れたよね?」

『うん、子供の頃から着ているから大丈夫だよ。でもさすがに明日の昼に帰るのは恥ずかしいかな…』

「どんだけお祭り気分なんだよ!って突っ込まれそうだよな〜」

『ぽっくんだって甚平なのを忘れないでよ?』

「いやあ、2人揃ってお祭り気分なら恥ずかしくないよな!あはは!」



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