電照菊
□高校生時代@
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=高校生時代=
無事に私たちは高校へと進学した。
これまた殆どの皆と一緒で笑っちゃうくらい。
だけど他の地域からも集まる子は多くて…
「あ!宮澤くんだよ!」
「笑顔が爽やかだよね!すごいかっこいいー…」
「きゃー!こっち向いてる!手を振ってくれてる!!」
ぽっくんのモテっぷりには拍車がかかりました…。
もちろん昔からぽっくんを好きな子たちは当然で、新たに高校で彼を知った子達もいて。
『はああ…モテモテすぎるよ…』
「でも彼女はもっちいじゃん」
『わっ!び、びっくりした…陽菜ちゃんかー…』
大島くんの彼女の陽菜ちゃんは高校に入って更に人気が出た。
この高校では男子ならぽっくん、女子なら陽菜ちゃんが一番人気と言ってもいいと思う。
陽菜ちゃんに彼氏がいるのは分かっているはずなのによく呼び出されている。
「この前の人なんか失礼なんだよー。俺の方が大島より背が高いだろ!だって!」
そう言ってぷーっとほっぺを膨らます陽菜ちゃんはとても可愛くて羨ましい。
呼び出しならぽっくんもすごいんだけどね…。
『陽菜ちゃんはどんなイケメンから告白されても断っているよねー』
「それ言うなら佐江ちゃんだってそうじゃん」
『…そうかな』
「うん。だって全部もっちぃがいるからって断ってるでしょ?」
『それはそうなんだけどね…』
そう、ぽっくんは呼び出されても全部「彼女がいるから!」って断ってくれてる。
『ていうか、まだ付き合ってって言われてないんだけど!』
「え。そうなのー?」
『そうだよ…ぽっくんってもしかしたら断る理由に利用しているんじゃ…』
ああ。なんだか惨めな気持ちになってきた…。
ぽっくんとは昔確かに好きだって言いあったし、結婚しよう!とかいった。
子供の頃だけど。
「佐江ちゃんに聞いてみたらー?」
『今更?』
「そうだけどー、それを言われたらもっちぃは安心でしょ?」
そうすればきっとイライラはなくなるんじゃない?って陽菜ちゃんは続けた。
確かにそうかもしれない。
大島くんだって結構モテていて、面白くないけど信じてるって言ってる陽菜ちゃんが言うと納得。
今日…聞いてみよう…かな。