電照菊
□中学生時代
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=中学生時代=
私たちは中学生になった。
といっても小さな島だから皆一緒に同じ学校。
「なんで俺の制服はこんなにでかいんだー!」
「わはは!優子、制服に着られてるじゃん!」
「うっさーい!佐江は自分がでかいからって調子に乗るな!」
大島くん…体が大きくなるって期待されてるんだね。
冗談みたいにブカブカだけど…。
そしてそれをからかっているぽっくんは…
「…ん?よっ!明日香!」
『お、おはよう!』
「明日香も制服似合ってるなあ〜。可愛いねっ」
『え、ありがと…ぽっくんもかっこいいよ?』
「そ、そう?うーん、でももっと背が伸びたらどうしようかなあ」
ぽっくんは中学に上がる前に急激に背が伸びた。
元々お兄ちゃんたちも大きいから伸びるよって言われていたけど…
そしてもっとかっこよくなった。
それまでは普通に遊んだり話したりしていた女の子たちからの熱い視線気付いてる?
「さ、佐江ちゃん!」
「おっ、ゆきりん!へー、制服似合うね?清純派って感じ!」
「本当に?佐江ちゃんもかっこいいよ…」
「あはは、ありがとう!…お、きたりえも似合ってる!」
「佐江ちゃん!!本当に!?」
…ほらね。
こんな感じで自分のかっこよさに無自覚に接するから皆があなたに恋に落ちているんですよ?
「あーあー、倉持が嫉妬してんぞー?」
『大島くん!…嫉妬とかしてないよーだ』
「え?なんで?」
『ぽっくん、鈍感!』
きょとんとするぽっくんにべーっとすると更に不思議そうな顔。
「もー、優ちゃん、女の子からかっちゃだめー」
「おおっ!にゃんにゃん!女神さまあ!」
「くっつかないでー」
実は大島くんと小嶋さん…陽菜ちゃんは中学に入るちょっと前に付き合い始めたみたい。
私達の学校でも一番の美少女と言われた陽菜ちゃんと大島くんは意外とお似合いかも?
何だか…小学校の頃は私とぽっくんをからかっていた人がねえ…。
「はははっ、二人は仲いいなあ」
「佐江ちゃんともっちいだって仲良しじゃん」
陽菜ちゃんの言葉に私とぽっくんはちょっと恥ずかしくなる。