電照菊

□幼少期〜小学生
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ずっとずっと前から決まっていた事。


生まれた時からずっと一緒で、この島にいたことも出会った事もきっと運命だったんだ。




私はずっと一緒だよ?ぽっちゃん。




物心ついた時から私の隣にはぽっちゃんがいた。












=幼少期=


「明日香―!遊ぼー!」

『はーい!お母さん、ぽっちゃんと遊びに行ってくるー!』

「夕ご飯までには帰るのよー」




そんな声をかけてくるお母さんに元気良く返事をして玄関を出ると…





「明日香!今日は魚捕りにいかない?」

『お魚?川に?』

「うん!すっごいいい場所見つけたんだ!あ、でも内緒だよ?」

『皆に内緒?』

「そう!明日香とー、佐江だけの内緒!」





にかっと笑うぽっちゃんに釣られて私も思わず笑顔。

後ろを向いて差し出してくれた手を素直に握る。

この手についていけば大丈夫。




いつだって私に安心を与えてくれる手はこの手だけだった。




毎日遊び続けて、笑い続けて、話し続けて…

でも疲れることがなくって、もっともっと近くにいたい!って思っていた。





そんなある日。



ぽっちゃんは「内緒の場所見つけた」ってお得意の言葉である場所に連れてきてくれた。

すごく綺麗な景色が見えるその場所に私の心は掴まれてしまった。

まだ子供だったのに美しいものを美しいと感動できる気持ち。

それを育ててくれたのは、ぽっちゃん。

そして私たちが住む島。





「あのさ、明日香」

『何?ぽっちゃん』

「佐江と明日香は将来け、結婚するから!!」

『え、あ、う、うん!する!』

「本当!?」

『うん!だって、ぽっちゃんのこと大好きだもん!大好きな人とは結婚していいってお母さん言ってた!』

「や、やったー!へへっ、明日香は佐江のお嫁さん!」




そんな嬉しくて切ない約束をしたのもちょうどこの頃。

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