短編集A

□お菓子よりも甘いもの
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「ハロウィン風で、玲奈にチョコレートをあげるね」

『何がどうハロウィン風なの?』






佐江ちゃんは包み紙を破ってチョコを取り出して…それをくわえる…と思ったら口の中に入れた。







『え?食べるの…んっ!』







そのまま佐江ちゃんは私の唇を塞ぐ。

そして…互いの口の中を行き来するチョコレート。



それは往復するごとにどんどん小さくなっていって…







『んっ、さ、佐江ちゃん…』

「へへへっ、口移しのチョコレートだねっ」

『それー…』

「んん?」

『柏木さんの事考えながら…チューしてたのぉ?』

「え?な、なんで?歌っている人と曲名はこの際無関係でしょ!?」







動揺しています。

ポップなコスプレで動揺しているのはちょっと面白いです。









『うふふ、ごめんね?佐江ちゃんを苛めたくてわざとだよ?』

「なんだよー…じゃあ…お返しに悪戯してあげるね?」

『へっ!?な、なんで!?お菓子あげたのにっ!』

「玲奈が佐江に意地悪するから悪戯するの」

『おかしいよ!色々とおかしいってぇ…あっ、だ、だめっ!』







ぎゅうっと抱き締められると…耳をペロッと舐められた。

思わず声を上げると佐江ちゃんは真剣な顔になる。

これ、ずるいなぁ…これにいつもドキッとさせられるんだもん…。








佐江ちゃんは部屋の電気を少し暗くすると、







「玲奈…もっと甘いのちょうだい?」

『え…でも…キャンディもチョコも食べたでしょ…?』






嘘。本当は分かってる。

何を求められているのか。







「分かってるくせに」








そう言いながら素早くシャツをめくりあげられる。



あ…!ちょ…!






「…ブラ、つけてないんだ?やる気満々?」

『ち、違うっ!お風呂入ったしっ!』

「普段はつけてることが多いでしょ?」

『佐江ちゃん…意地悪…』

「ねえ?…これ、甘そうだね?」








佐江ちゃんはそう言って私の胸に触れる。
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