ゴーストハント

□光のある場所へ
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私達SPR(渋谷サイキックリサーチ)は依頼を受け心霊現象の調査をしに来ていた。

とある街にある長屋が連なる所にある家だった。
改築されたのか至る所が綺麗だったが、ここに住まう住人は家から聞こえる音に酷く怯えていた。

いわゆるラップ音だ。

だけど、依頼をしたのはそれだけではないようだった。

古い家を受け継いだのはその家の娘さんで、いくらなんでも外見は街並みに合わせてそのままでもいいが、内装は少し今風に洒落た様にしたいと工務店に願い出て改築工事を行った。

しかし、構図ではない空洞の場所があり、其処を取り壊せば、畳一畳分のスペースと、小さな窓があった。誰にも立ち入れないその場所は暗く空気が淀んでいるように感じられ、近寄るのもはばかられたが、ここも改装し、光が差し込む部屋になれば何かが変わるかもしれないと7畳の一室にしたのだった。

だが、その頃から異常が起こり始めた。木が軋む様なそんな音がその部屋の一部から聞こえてきたのだ。

まぁ、其処に住まう依頼主は独り身だった為に、その部屋を避けて、過ごしていたが、日に日に増す音に不安は募るばかりで、調査の依頼が来たのだったのだ。

何もいないならそれでいい。でも、いるのなら除霊して欲しいと。

その時の話を聞いたのは私、谷山 麻衣だった。

よっぽど、精神的にまいって来ていたのか、やつれた風で、事の経過を語ってくれていた。

早く解決して良くなって欲しいと思いつつ、捜査に出かけたのだ。

そこは古い民家が並び立つ街だった。
観光名所でもあり、並びは古風な家ばかりで、新しい家が並び立っていることはない。

「すみません。遠くからありがとうございます」

出迎えてくれたのは東雲 美緒(しののめ みお)さんだった。

「いえ、それでは、最初にお話させて頂いていたと思うのですが、機材を運びますので、一室お借りしてもよろしいですか?」

ナルが相変わらず表情の読めない顔で美緒さんに語りかける。

「はい」

「それと、捜査の過程で他の協力者にも手配する事がありますし、泊まり込みになりますが、かまいませんか?」

美緒は頷き私達を家の中に招き入れた。
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